解決事案
2026/07/17

建物の明渡請求をなされたが和解した事例

事案の概要

 依頼会社は、元々付き合いの深かった人物が代表を勤める会社(以下、「相手会社」といいます。)から土地建物の一部を借りるという合意したが、その際、実際に口頭で話をしていた使用可能なエリアと契約書に記載されていたエリアが異なっており、契約書に記載されたエリアの方が狭くなっていた。
 代表者同士の信頼関係があるうちは特に問題となりませんでしたが、ある出来事をきっかけに両者の仲が悪くなり、相手会社から契約書に記載のないエリアを明け渡すように請求されるようになった。

 相手会社は、建物の明渡と金銭の支払いを求める訴訟まで提起してきたので、依頼会社は弁護士に相談することにした。

 

解決までの経緯


 訴訟上は契約書の記載が極めて重視されるため敗訴する可能性が相当程度ある事案であった。そこで、弁護士は、依頼会社には訴訟と並行して移転可能な別物件を探すよう指示した。
 結果、訴訟の途中で物件が見つかり、訴訟自体も良い内容の和解で終えることができた。

 

弁護士の目

 二段の推定や判例により契約書がある事件では、契約書とは違う合意があったと主張する方がかなり厳しい闘いを強いられます(そう簡単に契約書とは違う合意があったという主張が認められると契約書を作る意味がなくなってしまうので、当然といえば当然ですが・・・)。
 訴訟前の協議段階だけが「交渉」段階ではなく、訴訟、さらには訴訟終了後の強制執行段階までもが「交渉」の場です。交渉を有利に進めるためには、交渉のテーブル「外」での諸状況を整えることが重要になります。本件は、正に良い例でした。
 訴訟のほとんどは「合理性」「相当性」「正当な理由」といった曖昧な要件の認定・評価を巡って争われるため、判決に至った場合の不確実性を排除できないことが多いです。そのため、常に状況を見極めて訴訟「外」でも策を講じておくことを忘れてはなりません。
 良い弁護士というのは、訴訟の勝ち負けだけでなく、そういった「策」のアドヴァイスもできる弁護士だといえます。

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